パパママ世代は新規じゃない
M-1「ブレス」
劇場版ポケットモンスター主題歌!
爽やかで明るい曲調!
と、思いきや。
"ポジティブな言葉で溢れているヒットチャート 頼んでもないのにやたら背中を押す"
歌い出しからいきなり痛烈なJ-POP批判。
これ、凄い戦術的だと思うんです。
「最近の曲どう?頼んでもないのにやたら背中を押すようなポジティブな曲多くない?多いでしょ?何かそれ疲れない?疲れるでしょ?そう思うでしょ??」
って割と強引にこちらに引きずり込む。
「あぁ…確かにそうだよねぇ…」って同意してしまったら最後。
そこはもう新藤晴一の仕掛けた罠の中です。
がっつり同意を得た上での
"ありのまま 君のままでいいんじゃない"
ですよ。
「頑張ってる君」をゆるーく解放しちゃう。
この新藤晴一という男、何が凄いって歌詞の中での駆け引きの上手さ。
例えば2番のBメロ。
"未来はただそこにあって 君のこと待ってる 小難しい条件 つけたりはしない 迎えにも来ないけど"
この「迎えにも来ないけど」って凄く晴一イズム。
ちょっと冷たくも聞こえるこの一言だけど、これこそ優しさの塊のような一言にも聞こえるんです。
未来なんて形のないぼんやりとしたもの、でもそれは確実にそこにあって、でもそこへは行こうとした人しか行けない。
自分の足で「迎えに行く」しかないんだよっていう、力強さ。
ここで、1番サビを思い出しましょう。
"ありのまま 君のままでいいんじゃない"
自分の歩幅で、少しずつでも前に進めば確実に未来はそこにあるよ。
そう言ってる気がするんです。
これって凄く優しさというか包容力を感じません?
この曲を今のちびっこ達が悩み多き思春期になった時、そう言えばポケモンの主題歌ポルノ歌ってたな〜って聴き直してくれたらオバサン嬉しい。
未来について悩んでる時にこの曲に出会えたら凄く勇気貰えると思う。
M-2 「海月」
昭仁さんらしいかっこいいメロディと歌詞。
静かに始まってサビは踊れる、大人なダンスナンバー。
だと思ってたんです。
思ってたんですけど。
リピートして歌詞見てたらどうやら違うぞ、と。
問題の部分は2番。
"それは運命に導かれたんだ 辿れば僕らは一つだったから"
…最初はね、もっとこう哲学的な歌詞だと思ってたんですよ。
生命が巡るのも、今自分がここにいるのも、この地球のさだめなんだよ、っていう。
でも2番をよく見てると、まるで「この地球のさだめ」を理由に口説いてるやないかい…!
「君と僕はもとは一つだったんだから、結ばれるのも当然だよね」みたいな。
「君と僕が結ばれてまた新たな地球歴史を紡いでいくんだよ」みたいな。
なんちゅーロマンシズム!
しかもそれを引き合いに出す為に「海月」なんてお洒落すぎやしません…?
いつこんなお洒落な手法覚えたの…昭仁しゃん……。
オバサンちょっと腰が抜けて…立てない…!
M-3 「ライラ」
はい、遂にきました。
今回の問題作。
曲の背景としては旅人たちが立ち寄る酒場、ってところかな。
踊り子がいて、客引きがいて、奏でられるのはロシア民謡の響き。(曲中にはかの有名な「コロベイニキ」のメロディが使われてるし)
Twitterで色々と騒がれてたこの曲ですが、元々ラテンな曲たちで人気を博してきたポルノなだけに、この異国情緒漂う曲もめちゃくちゃ似合う。
さて、ここで私が注目したのはサビの歌詞。
"歩き疲れたら帰っておいで 懐かしい歌など歌いましょう"
…私の考えすぎだと思うんですけど。
これ「ポケモン主題歌になってポルノに戻ってきた人達に向けて」の曲なんじゃないかって…。
サウダージやアゲハ蝶がリリースされた頃、中高生だった人達は親世代へとなってるはず。
その人達が子供を連れてポケモンを見て、懐かしいなぁってブレスを買う。
そのCDの3曲目の歌詞、それが
"歩き疲れたら帰っておいで 懐かしい歌など歌いましょう"
"古い友のように語らおう 愚痴でも聞かせて"
サウダージやアゲハ蝶の頃は熱心にポルノを追ってた人たちの中でも、少なからずポルノから離れてしまった人たちもいるはず。
その人たちも色んな人生、即ち色んな旅をしてきたわけで。
たまたま立ち寄ったところで「おっ、久しぶり〜。あの歌覚えてる?まぁとりあえず1杯どうよ?」みたいなノリ。
Twitterで「ポケモン主題歌にもなって新規のパパママ世代を取り込もうってタイミングでこの曲出すとか大胆過ぎない?!」って言ってる人を見かけたんですけど。
いい?
パパママ世代は「新規じゃない」!!!
この事に気がついてから私仕事が手につかないくらい心が震えて、勢い余ってブログ開設しちゃったりしたんですけど。
まぁでもただのオタクの妄想癖が暴走した結果なんで、晴一さんの真意なんて分かんないですけどね。
ただ単にライラライラライラライラライライライ言いたかっただけかもしれないですし。
それでは、またそのうち。